グローバル・フィランソロピー」カテゴリーアーカイブ

中国で国際的なフィランソロピー会議が開催される!

急速な経済成長が進む中国。富が集まれば、フィランソロピーも活発化します。すでに中国財団センターなどはグローバルに活動を行っていますが、先日、ジャック・マー率いるアリババ財団が国際的なフィランソロピー会議を開催しました。これを機に、中国のフィランソロピーがさらに発展していくか注目されます。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

財団の「永続性」を巡る議論

財団は基本的に、資産の維持を至上命題とします。基本資産を取り崩してまで事業を拡大するという選択肢は、通常あり得ません。その意味で、財団は「永続的」な存在と見なされてきました。しかし、最近、この問題に異議を唱える議論が米国で始まりました。財団の基本的な性格に関わるこの議論、興味深いので紹介しておきます。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

海外におけるソーシャル・ファイナンスの最新動向を知る一冊

この情報ボックスの主なテーマの一つは、社会的インパクト投資や社会的インパクト債など、スケールやインパクトを志向するソーシャル・セクター団体をターゲットとしたソーシャル・ファイナンスの最新動向を紹介することです。この情報ボックスを開始したのは、私が2012年にジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所で客員研究員として滞在している際、海外で急速に拡大しつつある新たな手法をぜひ日本の方々に広く知っていただきたいと考えたからです。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

フードロスの解消を通じた飢餓の撲滅

持続可能な開発のための2030アジェンダの一つに「飢餓の撲滅」があります。従来、飢餓の問題は、開発途上国や災害・紛争地域に特有の問題だと考えられてきました。しかし、近年の「子供の貧困」や「下流老人」の報道で明らかになってきたように、この問題は確実に先進国にも浸透しつつあります。人が、最低限の生存を確保するために栄養を摂取できるシステムをどう構築するか、これは国際社会の共通課題になりつつあります。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

サンベルナルディーノ銃撃事件とイスラム・フィランソロピー

先週、米国カリフォルニア州サンベルナルディーノで起きた銃撃事件は、イスラム国の影響を受けた米国人イスラム教徒のテロ事件として衝撃を与えました。日本でも、米国内で反イスラム感情が高まっていると報道され、また次期大統領選に共和党から出馬しているトランプ氏が、例によって過激に「イスラム教徒の入国を制限すべきだ」という発言をして物議を醸しています。しかし、多様性を重んじる米国では、こういう報道の陰で、様々な努力が進められていることを見逃してはならないと思います。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

ザッカーバーグ氏の寄付モデルは新たなスタンダードになるか?

昨日、フェイスブックの創設者ザッカーバーグ氏が、お嬢さんの誕生を機に、フェイスブック所有株の99%を今後、生涯を通じて社会貢献活動に捧げることを表明した、という報道が全世界に配信されました。総額は約5兆円に上ります。この件について、早速、米国のフィランソロピー・セクターでは議論が始まっています。

論点は、ザッカーバーグの関心領域からシリコン・バレー長者の寄付動向まで多岐にわたるのですが、私が面白いと思ったのは、ザッカーバーグの寄付手法を巡る議論です。クロニクル・オブ・フィランソロピー誌は、ザッカーバーグ氏が社会貢献を行うにあたり、従来のように財団を設立するのではなく、LLC(有限責任会社)を通じて行うつもりである点の可否を取り上げています。

クロニクル誌は、ザッカーバーグ氏が助成財団を設立しないことにより、(1)活動の透明性が担保されない、(2)財団に適用される5%支出ルールから外れる、(3)財団であれば当然公開すべき主要役員の給与などが公開されないので私的利益の追求に使われる恐れがある、などの問題点を指摘しています。もちろん、財団設立の場合に適用される免税措置もありません。

他方、LLCを採用する場合のメリットは、(1)資金の使い方の自由度が広がる、(2)特に、社会的投資を行う場合、財団のような様々な制約がない、という点です。

性善説に立てば、ザッカーバーグ氏は、従来の助成金中心の財団モデルの限界を感じているためにLLCを使った社会的投資を中心とする新しいフィランソロピーを開拓しようとしている、ということになり、性悪説に立てば、ザッカーバーグ氏は、助成財団設立に伴う透明性の確保や利益相反などの問題を回避しようとしている、ということになります。

しかし、私は、この問題は、ザッカーバーグ氏の個人的なコミットメントの問題である以上に、21世紀型のフィランソロピーのあり方を巡る問題であるような気がします。それは、20世紀に確立された助成財団という社会貢献ツールを認めるか、あるいは21世紀型モデルとして台頭している社会的投資ツールを認めるか、という立場の違いです。

オミディヤ・ネットワークは、両者を併存させるハイブリッドモデルを提示しました。ザッカーバーグ氏のモデルは、さらにこれを超えて社会的投資のみのモデルを追求しようとしているようです。さて、このモデルが有効性を示し、かつ社会的に受け入れられるかどうか。これからの動向が気になるところです。

https://philanthropy.com/…/Using-For-Profits-to-Fun…/234429…

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

市民社会の危機とグローバル・フィランソロピーの対応

80年代末の冷戦の崩壊により、共産圏諸国との壁が開放されたことで、グローバル・フィランソロピーは一気に拡大しました。欧米諸国の助成財団は、こぞって中東欧諸国や中央アジア諸国の民主化や体制移行への支援に参画し、日本もアジアの旧社会主義諸国の支援に官民で取り組みました。90年代初頭には、グローバルな市民社会の形成が熱気を持って語られていました。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

ミリオン・ダラー寄付の現在

スコットランドのCouttsが、「ミリオン・ダラー寄付報告2015」を発表しました。これは、英国、米国、中東、ロシア、中国、シンガポール、香港、南アフリカにおいて、1件あたり100万ドル(日本円で1億2千万円)以上の寄付案件を調査した報告書です。1件あたり100万ドル以上というのはまさに「メガ・グラント」なので、このデータは非常に貴重です。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

災害支援フィランソロピーの現在

自然災害、疫病、巨大事故など、災害の際には、国際社会の支援が必要です。特に、近年は、地球温暖化に伴う風水害の深刻化、人の移動に伴う疾病のグローバル化など、災害がもたらすインパクトも巨大化しつつあります。これに対処するためには、国際機関だけでなく、企業・助成財団の支援や個人の寄付も不可欠です。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

社会的起業からインパクト起業へ

ロックフェラー財団は、社会的インパクト投資と言う概念を提唱し、社会的インパクト投資の普及に向けた取り組みにおいて、中心的な役割を果たしてきました。そのロックフェラー財団が、新たに、インパクト起業(Impact Enterprise)に対するインパクト推進者(Impact Accelerators)を通じた支援という新たなコンセプトを提唱しています。 続きを読む

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather