ベンチャー・フィランソロピーと社会的投資ガイドの決定版登場

欧州ベンチャー・フィランソロピー協会(EVPA: European Venture Philanthropy Association)が「ベンチャー・フィランソロピーと社会的インパクト投資の実践ガイド」を刊行しました。おそらくこの報告書、現時点で入手できる最良の実践的なガイドとして、今後、ベンチャー・フィランソロピーや社会的インパクト投資を始めたいと思っている人達のスタンダードなガイドブックになると思われます。この分野に関心のある方は、必読です。

以下、ガイドブックの構成だけご紹介しておきます。

1.イントロダクション
→ベンチャー・フィランソロピーの特徴
2.ベンチャー・フィランソロピー組織
→ファンディング・モデルの選定
→組織立ち上げ
→ファンド・レイジング
3.投資戦略
→投資重点分野の選定
→投資先の選定(法人格、ファンディング・ツール)
→共同投資政策、非財務的支援、エグジット戦略
4.投資プロセス
→投資の承認
→スクリーニングとデュー・ディリジェンス
→投資決定とディールの組成
→投資マネジメント
→エグジット
→評価とフォローアップ
5.結論と今後の課題

この報告書は、今までEVPAが出してきた様々な報告書やガイドの集大成と言って良いかと思います。それぞれのポイントについて、留意点を簡潔にまとめているだけでなく、EVPAメンバー会員の活動実績に基づいて、ケース・スタディと統計資料を用意している点も魅力的です。欧州におけるベンチャー・フィランソロピーと社会的インパクト投資のマーケット動向を知る上でも役に立ちます。特に、この報告書で重要なポイントは、ファンド・レイジング戦略についてきちんと議論している点、及びエグジット戦略についても丁寧に議論している点です。この2つは、今まで日本ではあまり議論されていなかった点ではないでしょうか。

米国が主導する社会的インパクト投資の波は、大きなインパクトを与えていますが、このムーブメントは、巨大財団とグローバル金融機関が主導しています。スケールは大きいですが、日本でこれを展開するのはあまり現実的ではありません。むしろ、EVPAが地道に蓄積してきた、グラント・投資・非財務的支援の3つを組み合わせてエグジットまで面倒を見るスタイルの方が日本の土壌には合っていると思います。

日本のベンチャー・フィランソロピーと社会的インパクト投資の発展のためにも、ぜひ多くの人に読んでほしい報告書です。

http://evpa.eu.com/…/new-evpa-report-practical-guide-ventu…/

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