フランスで画期的な「売れ残り食品廃棄規制法」が成立!

先進国にも広がる格差問題。特に食料品の問題は深刻です。日本でも、ホームレスへの炊き出しサービスだけでなく、最近は、貧困家庭の子供に食事を提供する「子供食堂」や期限切れ前の食料品を安く仕入れて貧困家庭に配布する「フードバンク」などの動きが広がっています。

こうした活動の成功の鍵を握るのが、大手スーパーマーケットやレストランチェーンの「食品廃棄」問題の解消です。トラブルを恐れて、廃棄食品を非営利団体に提供するのを渋る企業がいる限り、フードバンクなどの活動は発展できません。

英国ガーディアン紙の報道によると、最近、フランスで、大手スーパーマーケットが売れ残り食品を廃棄したり食べられないように処分することを禁じ、代わりに賞味期限前にこうした食品を非営利組織やフードバンクに寄付することを義務づける法律が制定されました。法律は、さらにフードバンクや非営利組織側にも食品管理の徹底を図るよう義務づけることで、食中毒などのトラブル防止に配慮しています。これは、廃棄食品問題を解消する画期的な法律となりそうです。

この法律、反貧困キャンペーンや食料廃棄反対キャンペーンなどの草の根キャンペーンが議会に請願を出し、これが認められて成立したとのこと。フランスでの法律制定を受け、キャンペーンは、次のステップとして、EUに働きかけてEU加盟国全体にこの法律を適用することを目指していると言うことです。仮にEU全域で認められれば、廃棄食品問題は大きく前進することが期待されます。

食品廃棄の問題は、世界の貧困問題の解消の鍵を握る要因の一つです。以前にご紹介したとおり、ロックフェラー財団は、この問題に開発途上国と先進国双方で取り組むためのイニシアチブを立ち上げました。また、英国では野党の労働党が、フランスと同様の内容を持つ食品廃棄法を議会に提出しています。世界各地で、確実に問題解決への歩みが進んでいます。

日本でも、フードバンクや子供食堂などの動きは広がっています。しかし、残念ながら、コンビニやスーパー、レストランは、食料の提供に消極的です。また、廃棄の際には、ホームレスの人達が「再利用」しないよう、ゴミ箱をロックしたり、たばこの吸い殻を振りかけて食べられないようにしたりしています。民間業者がリスクを避けようとするのは、適切な公的ルールが存在しないからです。逆に言えば、法に基づいてルール化すれば、状況は変わり得ます。格差・貧困が無視できない状況になってきた日本。同様の法律の検討が望まれます。

http://www.theguardian.com/…/french-law-forbids-food-waste-…

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