フィランソロピーと開発援助機関のパートナーシップ

「フィランソロキャピタリズム」の共著者で、英国国際開発省勤務経験を持つマイケル・グリーンが、英国ガーディアン誌に面白いオピニオンを寄稿しました。タイトルは「緊縮財政の時代において 、フィランソロピストと開発援助機関は手を携えるべき」というものです。

彼は、まず開発援助機関とフィランソロピーの協働の発展過程について振り返ります。かつて、開発援助機関は、フィランソロピーの活動を単なる傍流の動きとしてしか見ていませんでした。しかし、2008年の金融危機で各国政府が財政削減を進める中、ODA予算も削減されます。この結果、開発援助機関は改めてフィランソロピーの役割を見直し、2011年に韓国ソウルで開催されたOECD DAC会議においては、フィランソロピーとのグローバル・パートナーシップが合意されます。

しかし、マイケル・グリーンは、このパートナーシップがうまく機能するためには、双方が互いの文化の違いを理解し、それぞれの特徴を活かした協働が必要だと訴えます。開発援助機関が、フィランソロピーを単なる「お財布」と考えている限り、パートナーシップは機能しません。この点に関し、マイケル・グリーンは、ゲーツ財団が立ち上げたエイズ・結核・マラリアと闘うグローバル基金を例に挙げながら、ガバナンスの共有が重要だと論じます。確かに、意志決定にフィランソロピー・セクターが関わることはパートナーシップの発展に不可欠です。

さらに、マイケル・グリーンは、フィランソロピーに固有の役割として、リスクを恐れずにイノベーションに取り込むことが出来る点を挙げます。他方、フィランソロピーが学ばなければならない点として、彼は、開発援助機関の中では常識である透明性、データの共有、説明責任を挙げます。どちらも、言うまでもないことですね。

ゲーツ財団やロックフェラー財団をはじめとして、欧米の多くの財団が開発援助機関とのパートナーシップを構築しています。彼らはまた、ミレニアム開発目標やポスト2015アジェンダ策定にも積極的にコミットしています。ODA大国日本も、財政状況が厳しくなる中、こうしたフィランソロピー・セクターとの協働をもっと推進していく必要があるでしょう。

http://www.theguardian.com/global-development/poverty-matters/2013/aug/30/philanthropists-official-donors-aid-effectiveness

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