ソーシャル・ファイナンス研究会

 「ソーシャル・ファイナンス」とは、保健医療、介護、雇用、子育て、教育、コミュニティ開発など、ソーシャル・セクターの多様な活動のための資金調達を指します。日本では、補助金・助成金や銀行ローンなどが中心ですが、海外では、このようなソーシャル・ファイナンスの担い手として、ソーシャル・バンクやコミュニティ開発金融機関、マイクロファイナンス機関などが発展しています。これに加え、近年は「社会的インパクト投資」、「社会的インパクト債」、「クラウド・ファンディング」など、新たなソーシャル・ファイナンス手法が登場し、注目を集めています。

例えば、英国は、2000年代初頭から社会的投資政策を推進しており、社会的インパクト債もいち早く導入しました。また、社会的証券取引所の設置、コミュニティ利益会社(CIC)のような新たな法人格の設立、社会的投資に資金を提供するビッグ・ソサエティ・キャピタルの設立、社会的インパクト評価手法の開発などを通じて、ソーシャル・ファイナンスの基盤も整備してきています。

さらに、グローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)がグローバルな社会的インパクト投資家のネットワーク化を進めると共に、インパクト報告・投資基準(IRIS)を通じてインパクト評価指標の標準化を進めています。また、グローバル社会的インパクト投資ステアリング・グループが設立され、G7諸国を中心に主要国において、社会的インパクト投資に関する情報共有や政策モニタリングなどが始まっています。

日本においても、従来の補助金・助成金や寄付だけでなく、政策金融公庫によるソーシャル・ビジネス・支援プログラムの立ち上げや、労働金庫・信金・信組によるNPOや社会的企業向けローンプログラムなどが始まっています。クラウドファンディングも多様なプラットフォームが立ち上がっています。さらに、社会的インパクト投資ファンドの設立や社会的インパクト債のモデル事業開始など、多様な動きが見られるようになりました。

ソーシャル・ファイナンス研究会は、このような海外のソーシャル・ファイナンスの最新動向を分析し、これを踏まえて日本における新たなソーシャル・ファイナンスの手法を開発していくことを目的に設立されました。研究会には、研究者のみならず、金融関係者、中央官庁・自治体職員、NPOや社会的企業の実務者、助成財団関係者、ファンドレイザー、投資家など、様々な分野の方にご参加いただき、セクターを超えて、新たなソーシャル・ファイナンスの発展に向けた議論の場を提供していきたいと考えております。ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。

【お問い合わせ先】
事務局(socialfinance2016(at)gmail.com)まで、お名前、肩書き、メール連絡先をお送り下さい。メイリング・リストに登録し、開催案内を送らせていただきます。((at)の部分に@を入れて下さい。)