助成財団の出口戦略を考える:グラント・クラフトの新ガイドブック

助成財団にとって、長期にわたり支援してきたプログラムを終了することは、気が重い仕事です。良いプログラムであればあるほど、支援を打ち切ることには重大な決意が必要です。しかし、社会は常に変化しており、助成財団が、限られた資源を最大限に活用して社会的変革を主導していくためには、どこかで出口戦略を考える必要があります。

グラント・クラフトが新たに発表したガイドブック「財団は進んでいく:プログラムを終了しても関係維持には資金を投じる」は、助成財団のあるべき出口戦略をまとめたユニークな報告で、示唆に富む有益なアドバイスが多数掲載されています。例えば、プログラムを終了するに当たっては、明確なタイムラインと事業評価を設定した出口戦略を策定し、グランティーと早い段階でこれを共有し、コンセンサスを形成すること。その際、出来る限り多くの利害関係者(ステーク・ホルダー)の意見を聞くこと。プログラムを終了する前に、可能な限り、支援終了後の持続可能性を確保するためのキャパシティ・ビルディング・サポートを行うこと。さらに、プログラム終了後も、アドボカシーやネットワーキングなどを通じて関係を続けること。プログラムの経緯と成果をアーカイブの形で整理して公表し、他の財団が今後、同じ分野で新たな取り組みを行うのをサポートすること、等々。。。。。

助成財団にとって、グランティーは、チャリティの対象ではなく、社会的問題の解決に共に取り組むパートナーです。だからこそ、何の理由もなく一方的に支援を打ち切るのではなく、きちんと出口戦略を策定し、双方が納得した上でプログラムを終了する必要があります。この報告、ぜひ日本の財団関係者にも広く共有して欲しいですね。

http://www.grantcraft.org/index.cfm?fuseaction=Page.ViewPage&pageId=3756

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