世界の共有経済をリードするソウル市とShare Hub

韓国ソウル市は、「共有都市(Sharing City)宣言」をして以来、積極的に共有経済を活用した社会課題の解決に取り組んでいます。今回、クリエイティブ・コモンズ・コリアが発表した報告書「ソウルは共有経済を通じて都市を牽引する」は、これまでのソウル市における共有経済の発展ぶりを分析した貴重な資料となっています。

クリエイティブ・コモンズ・コリアが共有経済に取り組み始めたのは2005年です。韓国が直面する深刻な社会福祉、環境、雇用などの問題を、政府の財政支出なしに解決するため、既存のリソースを活用しようという発想で開始しました。2012年には、ソウル市当局もこの重要性を認識し、「共有都市宣言」を行って、クリエイティブ・コモンズ・コリアと協力し積極的に共有経済の促進に取り組みました。

共有経済におけるソウル市の重点領域は以下の5つです。

■カー・シェアリングを通じた渋滞解消と環境改善
■駐車場の共有を通じた駐車場不足の解消
■ルーム・シェアを通じた観光客用宿泊施設不足の解消
■子供の服、文具、本の共有を通じた子供の貧困対策
■公的機関の遊休施設開放を通じたコミュニティスペースの提供

これを実現するため、ソウル市は、共有経済促進条例の制定、共有経済を担う社会的企業の支援、共有経済に関連した規制の緩和、各区に対する奨励政策、行政が持つ情報と施設の共有を行いました。

この結果、現在、スペース・シェア関連事業体が25社、グッズ・シェア関連事業体が15社、スキル他のシェア関連事業体が16社、コンテンツ・シェア事業体が7社で計63社が活動を展開するに至っています。

「共有経済」というと、日本では「民泊」が有名です。東京オリンピックを見据えて国主導で進められていますが、これを支えるのは営利企業で、利益を上げるのは都心部に空きマンションを購入することが出来る一部富裕層が中心です。なぜか、日本では、「共有経済」までもが利益追求のための「新たなビジネス・チャンス」になってしまっています。

しかし、世界を見渡せば、共有経済は、環境、雇用、社会福祉などの様々な社会課題にビジネスの手法を使って取り組むソーシャル・ベンチャーや社会的企業の草の根レベルでの取り組みが中心です。ソウル市の経験は、こうした草の根の取り組みを非営利の中間支援組織と協働して支援することこそが行政の役割だと言うことを改めて認識させてくれます。

http://english.sharehub.kr

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