米国で第7回グローバル起業家サミットが開催される

先日、米国で第7回グローバル起業家サミットが開催され、成功裏に幕を閉じました。6月22日から3日間にわたり、シリコン・バレーで開催されたサミットでは、オバマ大統領が演説し、フェイスブックのザッカーバーグ氏と対話したほか、世界中の起業家リーダーが集まって、様々なパネルやワークショップを行いました。

今回のサミットは、任期が残りわずかとなったオバマ政権の起業支援における総決算の趣で、連邦政府や政府機関の様々なイニシアチブが発表されました。「起業家精神」はまさに米国建国の基盤であり、力が入るのは当然ですが、今回は、特に「ソーシャル」と「インクルーシブ」がキーワードになりました。

政府のコミットメントは膨大でそのすべてを紹介することは出来ませんが、グローバルな起業家支援のためのグローバル・コネクト・イニシアチブ立ち上げ、大統領任命のグローバル起業家大使の発足から、開発途上国におけるクリーン・エネルギー分野の起業支援、連邦政府とKivaの協働によるクラウドファンディングを通じた女性起業家支援ファンド設立、環大西洋若手イノベーション・リーダー・イニシアチブ設立など、様々なプログラムが立ち上がっています。

また、社会的インパクト投資の分野でも中南米向け起業支援のEndeavorによる開発途上国向け1億ドルの共同投資ファンド、先日紹介したDraper Richards Kaplan財団の6500万ドルのベンチャー・フィランソロピー基金、SDGフィランソロピー・プラットフォームの50万ドルの女性エンパワーメント支援ファンドなどが会議開催に合わせて発表されました。

同時に、今後、米国政府が国内の社会課題解決の切り札として期待する「包摂的起業家(Inclusive Entrepreneurship)」の促進についても、新たなコミットメントが発表されました。具体的には、米国中小企業庁の「1日スタートアップ・イニシアチブ」(スタートアップの手続きを24時間以内に完了させようという試み)、米国科学財団の起業家トレーニング・プログラムの拡充、民間企業による「テク・インクルージョン・プレッジ(テクノロジーを活用した社会的包摂の推進を誓約)」などです。今後、「包摂的起業」はキーワードの一つになっていくでしょう。

起業家精神を通じた社会課題の解決。米国では、かけ声だけではなく連邦政府の政策の柱の一つになったようです。オバマ大統領は、これを公約の重点政策の一つに掲げていましたが、8年間の任期を通じて着実に実績を重ねてここまで到達しました。彼のぶれないコミットメントに拍手を送りたいと思います。

http://www.ges2016.org

ちなみに、世界中の起業家がグローバルな課題の解決に向けて情報を交換し、さらに資金を募るオンライン・プラットフォーム「グローバル・イノベーション・エクスチェンジ」も立ち上がっています。

誰でも登録可能なので、この領域で活動しているNPO/NGOの方々、参加されてはいかがでしょうか。世界主要国の開発援助機関や国際機関、財団がパートナーとして参加していて、資金提供の機会もあるようです。

それにしても、このプラットフォームに韓国のKOICAが参加しているのに、JICAはおろか日本の財団も大学も全く参加していないのには愕然とします。世界第三位の経済大国は、国際援助の分野でさえ「ガラバゴス化」してしまったのでしょうか?

https://www.globalinnovationexchange.org

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