米国ドナー・アドバイズド・ファンドの総資産が大幅に増大

米国のナショナル・フィランソロピック・トラストが発表した「ドナー・アドバイズド・ファンド・レポート2013」によると、米国のドナー・アドバイズド・ファンドの総資産は、2012年度に450億ドルになり、2011年度の総資産額380億ドルから大幅に拡大しました。この結果、ドナー・アドバイズド・ファンドによる寄付額は、全米の個人寄附総額の6%に達しています。また、口座数も2011年度から7%増加して20万以上となりました。

ドナー・アドバイズド・ファンドがこのように拡大した背景には、米国議会で寄附税制の見直し議論が開始されたため、駆け込みでドナー・アドバイズド・ファンドに資金を移動した人が多かったことも一因だと考えられています。ドナー・アドバイズド・ファンドは、フィデリティのような営利金融機関、ナショナル・フィランソロピック・トラストのような非営利の全国団体、さらにコミュニティ財団やNPOなどの重要な寄附収入源の一つとなっています。寄附者が、一定の範囲内で寄附先や寄附金額を決めることが出来、また資金の運用についても幾つかのオプションが用意されていて、自分の裁量の余地が大きいところが、寄附を惹きつける最大の理由でしょうか。日本でも特定寄附信託制度が導入されましたが、米国のドナー・アドバイズド・ファンドのような柔軟さがあれば、この市場はさらに拡大することが期待されます。日本の制度のさらなる改善が望まれます。

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。