ニューヨーク・タイムズの Ubiquitous Across Globe, Cellphones Have Become Tool for Doing Goodと言う記事が、モバイル・テクノロジーを駆使したソーシャル・イノベーションの現状をわかりやすく紹介していて面白かったのでシェアします。
現在、世界の96%は携帯電話でつながっています。開発途上国も含めて、です。ということは、携帯電話を使えば、今までアクセスできなかった開発途上国のコミュニティや貧困層にもサービスを提供できることを意味します。しかも、現場に事務所を構えて人を派遣する必要がないのでコストは大幅に削減されます。これは、ソーシャル・セクターにとって最大のビジネス・チャンスです。
記事は、様々なユニークな取り組みを紹介しています。
例えば、M-Majiは、ケニヤのスラム地域において、浄水にアクセスできる場所の情報を携帯のアプリで提供しています。これを使えば、浄水に対するアクセスがはるかに改善されることになります。
InSightと言うアプリは、開発途上国の貧困層が日々の収支情報を携帯を通じてオンライン上に蓄積することが出来ます。この情報と、マイクロ・ファイナンス機関をつなぐことで、マイクロ・ファイナンス機関は貧困層に銀行サービスを提供することが可能になります。
Tech ChangeはワシントンDCを拠点とした社会企業で、開発途上国の開発協力実務者向けのトレーニングをオンライン上で提供しています。既に60カ国およそ400名の実務者向けのトレーニングを実施したとのこと。
これ以外にも、オンラインを通じた妊婦への支援やポリオのワクチン注射のモニタリング・ツール、保健指導など、様々なプロジェクトが進められています。そして、もちろん、これらの多くは社会的企業として立ち上げられ、社会的インパクト投資の対象となります。
モバイルが変えるソーシャル・セクター。モバイル大国日本も、この流れに乗り遅れないようにしたいですね。それには、USAIDと同じように、JICAやJBICが積極的にこの分野に参加することと、日本の助成財団がよりこの分野へのサポートを強化することが求められます。