フォード財団が、新理事長の下での新たな戦略を打ち出しました。事業の焦点を「社会的不公平の是正」に当てると共に、支援手法をNPOのキャパシティ・ビルディングに重点化させるとのこと。2016年から2020年の5年間で、10億ドルを投じてより強力、持続可能、そして持続性のある組織作りを支援すると言うことです。
具体的な手法としては、ベンチャー・フィランソロピーのようなより長期的で柔軟な資金支援を行うことや、NPOのキャパシティ・ビルディングのための事業開発支援や統廃合支援などを行うとのこと。そのために、先駆的な試みを行っているヒューレット財団、クラーク財団、オープン・ソサエティ財団、パッカード財団、ソーシャル・ベンチャー・パートナーズなどとのパートナーシップ関係を強化することも謳っています。
ゲーツ財団の登場により規模的には存在感が薄れたとは言え、やはり米国のみならず世界の助成財団の指導的存在であるフォード財団の新たな戦略。これは国際的なフィランソロピーセクターにも影響を与えることが予想されます。NPOのキャパシティ・ビルディング強化のための国際的な財団ネットワークが出来るかもしれません。日本の助成財団は、ごく一部の企業フィランソロピーを除けばこの分野にほとんど関わっていないですが、今後、日本の助成財団もこの動きに積極的に関わっていってほしいと思います。
http://www.fordfoundation.org/equals-change/post/whats-next-for-the-ford-foundation