先日、ご紹介したユタ州の社会的インパクト債の評価を巡っても、引き続き、米国内では議論が続いています。どういう議論か簡単にご紹介しておきますと、争点となっているのは、ユタ州の社会的インパクト債事業です。幼児教育を通じて特別学校への進学者数を減らせば、それに応じてリターンがあるというプログラムが「1年目で成果を上げ、ゴールドマンサックスなどの投資家にリターンが出た」という記事に対して、専門家から、「成功したという成果は、通常ではあり得ないもので疑わしい」という批判が出ました。これをきっかけに、社会的インパクト債とその手法を巡って議論が続いているのです。
これについて、ノンプロフィット・ファイナンス・ファンドが、今までの議論を整理すると共に、事実関係の資料を公開したので、共有しておきます。まだきちんと見ていませんが、資料的な価値は高いと思います。ユタ州の事例に賛成するか反対するかはともかく、ノンプロフィット・ファイナンス・ファンドの以下のメッセージだけは確認しておきたいですね。
「成功報酬債の先駆者達は、前人未踏の地を歩んでおり、その究極の目標は、私たちのコミュニティが深く陥っている社会問題の解決に向けて前進することにあります。成果に裏付けられたソーシャル・セクターへの移行に向け、利害関係者が、前進の途上で大きな困難に直面したとしても、この大目標だけは見失わないよう望みます。」
http://www.payforsuccess.org/…/building-healthy-dialogue-ne…’s-project-evaluator-dr-mark-innocenti
なお、この問題については、開発インパクト債の専門家も疑問を投げかけています。「インパクトのない社会的インパクト債?」と題された記事は、論点をうまく整理しています。http://www.cgdev.org/・・・/social-impact-bond-without・・・