災害支援フィランソロピーの戦略ブック

フィランソロピーの役割の一つに災害支援があります。災害直後の寄付・物資集めやボランティア派遣、さらに中長期的な復興支援に向けたコミュニティ財団の活動やNPOの活動など、フィランソロピーの役割は災害支援において重要な役割を果たします。

行政が、公的な立場上、どうしても画一的で一定の基準に沿ったサービスしか提供できないのに対し、NPOは、よりターゲットを絞った寄り添い型の支援が可能です。たとえば、妊産婦や老人、障害者、在住外国人、子供達などの災害弱者に対する支援や、孤立世帯への見守り支援や相談など、多くの分野でフィランソロピー活動は魅力的なサービスを提供することが可能です。

また、企業も、その機動力とノウハウを活かして様々な支援が可能です。物資の支援、輸送網の提供、社員ボランティア、寄付など、多様な貢献が出来ます。コミュニティ財団を設立し、継続的で地元のニーズに即した支援も可能です。

米国でもこれは同様です。災害フィランソロピー・センターと地域グラント・メイカー協会フォーラムなどが立ち上げた「災害フィランソロピー戦略ブック」と言うサイトは、このようなフィランソロピーの多様な戦略やベスト・プラクティス、情報リソースなどをまとめたインフォーメーション・プラットフォームで役に立ちます。さらに、財団、NPO、企業、行政の協働を仲介するプラットフォームとしての役割も担っています。

災害フィランソロピーの戦略も、「アドボカシー・法的支援」「高齢者・障害者支援」「動物保護」「文化芸術」「コミュニティの経済復興」「コミュニティのネットワーク形成」「教育」「雇用支援」「環境」「健康」「住居」「緊急支援」「災害予防」「製品寄付」と多様な分野でのメニューがそろっていて、なかなか参考になります。

災害予防・支援は、行政のみならず社会全体で担うものです。そのためには、今までの経験の蓄積・共有が不可欠です。このサイトは、米国フィランソロピーセクターが今までに蓄積してきた情報をまとめたということで非常に意味があると思います。日本も、阪神淡路震災から東日本大震災に至るまで、フィランソロピーセクターが、大きな役割を果たしてきました。この情報を、こういう形でまとめておくことは有意義なことだと思います。

http://disasterplaybook.org

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