私は、ビル・ゲイツのような資産家が設立する巨大財団と同じぐらい、コミュニティ財団もフィランソロピーの発展に重要な役割を果たしていると思っています。なぜなら、規模は圧倒的に小さいけれど、コミュニティ財団は、コミュニティのニーズを丁寧にすくい取り、持続可能な形でコミュニティに貢献できるからです。
アライアンス・マガジンによると、今年1月、米国のチャールズ・モット財団やドイツのロバート・ボッシュ財団の支援を得て、欧州コミュニティ財団イニシアチブという新たなプロジェクトが立ち上がったようです。今後、イニシアチブは、欧州各地で、コミュニティ財団の設立支援や全国ネットワークの形成支援を行っていくとのことです。事務局を担うのは、ドイツのコミュニティ財団イニシアチブと英国コミュニティ財団ネットワークです。
コミュニティ財団の役割は多岐にわたります。基本的には、コミュニティのメンバーから寄付を募り、これを原資にコミュニティの発展のためのプロジェクトに対して助成を行います。それだけでなく、コミュニティ財団は、コミュニティが抱える課題の発掘のための調査活動を行ったり、コミュニティ内のNPO、社会的企業と行政やビジネスの協働の橋渡しも行います。米国では、さらに社会的インパクト債に資金提供したり、社会的インパクト投資の資金仲介プラットフォームの役割も果たしています。コミュニティ財団の活動自体が、コミュニティ内部の寄付や社会的投資を促進し、課題の発見とソリューションの提示を通じてコミュニティの発展に寄与していくのです。
日本でも、コミュニティ財団の全国ネットワークが設立され、今後、発展が期待されます。ぜひ、欧州で新たに立ち上がったネットワークとの交流を通じて、日本のコミュニティ財団のさらなる拡大を図ってほしいですね。
http://www.alliancemagazine.org/…/new-project-strengthens-…/