中国で国際的なフィランソロピー会議が開催される!

急速な経済成長が進む中国。富が集まれば、フィランソロピーも活発化します。すでに中国財団センターなどはグローバルに活動を行っていますが、先日、ジャック・マー率いるアリババ財団が国際的なフィランソロピー会議を開催しました。これを機に、中国のフィランソロピーがさらに発展していくか注目されます。

会議には、800人以上が参加しました。スピーカーとして、播基文国連事務総長、ゴードン・ブラウン前英国首相、カーン・アカデミー代表のサルマン・カーン氏が出席し、また、ビル・ゲイツ氏、マーク・ザッカーバーグ氏などグローバル・フィランソロピーのリーダー達がビデオ・メッセージを寄せたとのこと。

中国は、富裕層が急速に拡大していますが、寄付額はまだ米国の4%程度と言うことで、会議では、今後、中国におけるフィランソロピーをどう拡大していくのかが議論されたようです。また、草の根レベルでの寄付の拡大も取り上げられたとのこと。アリババ・グループは今後、クラウド・ファンディングも拡大していくのでしょう。

この会議については、アジア財団やNPQなど幾つかのメディアが取り上げています。欧米の反応は、中国フィランソロピーの発展を歓迎する一方で、中国共産党が現在進めている市民団体の活動や海外助成財団の資金流入への規制強化への懸念も示しています。中国国内のフィランソロピー資金を拡大し、海外からのフィランソロピー資金を閉め出すことで、中国共産党のコントロールを強化することは、健全な市民社会の発展に逆行することにもなりかねません。

フィランソロピーには良い面だけでなく、様々な否定面もあります。一部の資産家がソーシャル・セクターを支配する危険性(例えば、米国の教育システム)や特定の主義主張に大量の資金が流れ込む危険性(例えば、米国のティー・パーティー運動)があります。さらに、国際関係でも、「影響力の行使」(例えば、冷戦時代の米国財団によるイデオロギー・キャンペーン)に使えますし、ソフトパワーとしての運用も可能です。フィランソロピーが健全に使われるためには、これを支える市民社会の発展も不可欠です。

今後、中国のフィランソロピーがどのように発展していくのか、国際社会が注目しています。

http://asiafoundation.org/…/inaugural-xin-philanthropy-con…/

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