米国のフィランソロピー・アドバイザー認定制度についてご紹介しておきます。
アメリカン・カレッジが運営しているCAP(Chartered Advisor in Philanthropy)プログラムは、フィランソロピー・アドバイザーとしての資格認定制度です。対象は、ファンドレイザーやファイナンシャル・アドバイザーで、様々な寄付・遺贈・信託プログラムや、資金調達手法について、大学院レベルの訓練を受けることが出来ます。もちろん、非営利団体のファンド・レイジング戦略も学ぶことが出来ます。
CAPを修了したアドバイザーは、米国の富裕層やフィランソロピストに対するファイナンシャル・アドバイス・サービスの一環として、様々な寄付プログラムを提案することが期待されます。こういう形で、富裕層向けファイナンシャル・アドバイスにフィランソロピーが組み込むことで、米国の寄付市場の発展が後押しされています。
寄付市場をビジネスとは全く無縁の非営利の世界として見るのではなく、ファイナンシャル・サービスの一環としてビジネスの観点からアプローチするという発想はなかなか日本では受け入れがたいかもしれません。しかし、このアプローチが、結果的に海外の寄付市場の発展を促進してきたことは無視しがたい事実です。日本でも、寄付信託市場を中心に、寄付市場の拡大を目指してこのような専門認定制度が検討されることを期待しております。
http://www.theamericancollege.edu/financial-planning/cap-philanthropy#why-cap