システム思考のためのツール

日本でも、近年、NPO経営に「変革理論(Theory of Change)」や「ロジック・モデル(Logic Model)」を導入しようという動きが盛り上がってきました。これらのモデルは、事業の戦略性を高め、アウトカム評価やインパクト評価の基礎として重要です。

欧米の場合、これらの手法は現在、NPO経営の大学・大学院や各種セミナーで紹介され、ほぼスタンダードになっています。他方、これらの手法が想定するリニアなモデルだけでは、複雑な現実の課題に対応しきれないどころか、場合によっては深刻な副作用をもたらす恐れがあることも認識されてきました。

こうした中から提唱されたのが「システム思考」です。これは、現実の複雑性や利害関係者の多元性を前提とした上で、リニアな因果関係ではなく、システム全体の移行という視点から戦略を組み立てようという考え方です。「システム思考」は、システムをTransformativeに変化させることで課題の解決に取り組みます。

既に、システム思考については様々な文献やツールが公開されていますが、最近、FSGが、そのエッセンスを分かりやすいツールにまとめて公開するプロジェクトを開始しました。ターゲットは、NPOや社会的企業です。「システム思考」は、複雑性を前提としていて理論先行になりがちのため初心者には取っつきにくいのですが、このプロジェクトでシンプルなツールにアクセスできるようになりました。今後、「システム思考」の普及が促進されそうです。

当面、FSGが公開しようとしているのは以下の6つのツールです。既に4つのツールが公開済みで、いずれも実践的なツールです。英語ですが、ご関心のある方、一度ご覧下さい。「システム思考」、やってみると意外と簡単だし、実は「ロジックモデル」に比べてより現実に即していることがお分かりいただけると思います。

■ツール
・アクター・マッピング
・トレンド・マッピング
・タイムライン・マッピング
・エコ・サイクル・マッピング
・ポジティブ・アプローチ(appriciative)調査
・ワールド・カフェ手法

http://fsg.org/…/tools-supporting-systems-thinking-and-chan…

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