国際社会における「組合」経済:ICAのワールドモニター報告

協同組合関係のことを調べていて、面白い報告を発見しました。少し古いですが、国際協同組合連盟(ICA)が昨年10月に発表した「世界協同組合モニター報告2012」です。

報告書によると、2010年時点で、ICAがデータベースに登録している協同組合は61カ国2190団体。総売上高は、協同組合が1兆1151億ドル、信用組合などの銀行業務が1853億ドル、保険組合や相互組合が1兆1018億ドルとなっています。組合数は、欧州が1297と大きく、次いで米国が558、アジア176、大洋州151、アフリカ8となっています。内訳は、保険組合28%、農業・食料26%、消費・小売21%、金融7%、製造業・水道電気7%、保険・社会保障3%、住居1%など。ちなみに、世界最大の協同組合は日本の全国共済農業協同組合連合会でした。

こういう形でデータ化されると、改めて国際経済における協同組合の役割の大きさを実感できます。今まで、協同組合の経済的な役割は周辺的なものだと見なされがちでしたが、これだけの規模があればキープレーヤーの一つと言って良いでしょう。しかも、協同組合の経済は、営利企業に比べて不況でも比較的安定した成長を遂げています。社会的企業などのイノベーションに対する資金の出し手やインキュベーターとしての役割も期待できるのではないでしょうか。今後の調査の展開が楽しみです。

http://ica.coop/sites/default/files/attachments/Explorative_Report_2012.pdf

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