社会的インパクト投資については、投資家や財団向けの解説や調査報告はたくさんあります。しかし、実際に、この社会的インパクト投資を受けて、事業を行う社会的企業家向けのマニュアルというのはなかなかありません。ワールド・エコノミック・フォーラム(ダボス会議)を運営しているシュワッブ財団が中心になって2011年にまとめた「社会的投資マニュアル:社会的企業家向けイントロダクション」は、このギャップを埋めるために作成された実用的なマニュアルです。
マニュアルは、まず、「社会的インパクト投資とは何か」という説明から始まります。そして、社会的企業家自身が、どのような「投資資金」を必要としているのか、利子を付けて返すことが出来るあてがあるのか、それとも一部資金をリターンとして差し出すだけなのか、等、それぞれの資金需要に応じて、どのような「社会的インパクト投資」にアクセスすればよいのかが説明されます。さらに、投資を得るに当たり、どうしても経なければならない「投資適格性審査(Due Diligence)」では、どのような点がチェックされるのか、審査に合格した後は、どのような形で投資家と交渉に入ればよいのか等々が解説されます。
プロポーザルの雛形から、現在、欧米でアクセスできる主要な投資団体の一覧までが網羅されていて、良くできたマニュアルだと思います。こういうの、日本にもあると良いですね。でも、日本の場合は、マニュアルの前にまずインダストリーのエコ・システムを構築する必要がありますが。。。。
マニュアルは以下のサイトから無料でダウンロードできます。
http://www.weforum.org/pdf/schwabfound/SocialInvestmentManual2011.pdf
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