ソーシャル・イノベーション・ラボでのプレゼンテーションご報告

先日、お知らせした「ソーシャル・イノベーションを担う人材育成」のプレゼンテーションを行いました。出席者は、ソーシャル・イノベーション・ラボのメンバーを中心に、色々なバックグランドの人たち。わずか2時間あまりでしたが、とても楽しい会になりました。それは、もっぱら、講師(=小林です)の力量というよりも、参加者のソーシャル・イノベーションへの熱意と多様性のためだったと思います。

結構、大きな話をしたので、とても全体像をお伝えすることは出来ません。あえてご報告すれば、まず、米国において、NPOが歴史的に発展し、社会的企業化、さらにスケールアップを進めていく中、営利と非営利のハイブリッド型の新たなフィランソロピー形態(私たちは、これを「フィランソロピーのフロンティア」と呼んでいます。)が登場しつつある、という社会的背景を最初に説明しました。そして、現在、米国を中心に進められている、あらたなソーシャル・ファイナンスの構想と、この中での助成財団の役割を概観し、最後に、こういう時代において、NPOに求められる新たな戦略とリーダーシップは何か、これを担う人材を育成するためにはどうすればよいか、を論じました。

仮に、結論めいたものがあるとすれば、それは、フィランソロピーのフロンティア領域において、NPOは、リアルタイム戦略策定、コレクティブ・ラーニングに基礎を置く柔軟な組織形態、そしてこれを可能にする適応的リーダーシップやコレクティブ・リーダーシップが必要になってくるということになるでしょうか。もちろん、NPOの基盤となる財務・法務・人材育成・資金調達・マーケティング・ボランティア運営・広報・アドボカシーなどの基本的なスキルは当然必須です。さらに、新たな時代においては、ファイナンスの知識や事業評価の知識も必要になってくるでしょう。その上で、より柔軟な組織とリーダーシップが必要になってくるということだと思います。そして、こうした人材育成の場の例として、若干個人的な話になりますが、私が卒業したペンシルヴァニア大学NPO指導者育成修士課程のカリキュラムを若干ご紹介した次第です。

勉強会は、まさにコレクティブ・ラーニングの場となり、私が話す前に、参加者がそれぞれ問題提起を行い、それに対する多様な回答が提示され・・・というかたちで進んでいきました。こんなに活発な議論が展開されるとは期待していなかったので、プレゼンターとしては大満足です。参加者の皆さん、ぜひこれからの日本のソーシャル・イノベーションを発展させるべく頑張ってください。なお、プレゼンテーション資料は以下のサイトでご覧頂けます。熊沢さん、アップしていただきありがとうございました。

http://www.slideshare.net/takukumazawa/ss-22971992

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