英国のヤング財団が、「教育における社会的投資」と言う報告書を公表しました。一般に英国における社会的投資は、再犯防止や失業対策などを中心に発展してきましたが、教育分野においても社会的投資が有効であるということを実証的に明らかにしようという報告で興味深いです。
報告では、英国において、低所得家庭の子供達の受ける教育サービスが一般家庭に比べて大きく乖離しており、このために貧困の再生産が行われているという問題から出発します。この問題の解決のために、社会的投資が果たす役割として、(1)16歳以降を対象とした職業訓練に対する社会的投資、(2)政府による社会的インパクト債券を通じた投資、(3)低所得児童への授業料等直接支援、の3つの可能性を挙げ、それぞれについての事例分析を行っています。
日本でも教育における格差の拡大は大きな課題となりつつあります。政府の財政支出の余地が限られている中、こうした社会的投資の活用も視野に入れていく必要があるでしょう。
http://youngfoundation.org/wp-content/uploads/2013/06/Social-investment-in-Education-FINAL.pdf
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