CHANGE!を掲げて当選したオバマ大統領の目玉政策の一つが、ソーシャル・イノベーション・ファンドです。基本的なコンセプトは、政府がNPOセクターのキャパシティ・ビルディングを積極的に支援することで、NPOセクターの経営基盤を確立し、寄附やボランティアを活用して社会的な問題に取り組もうというもの。もちろん、この裏には、政府の財政支出が削減されていく中で、NPOセクターの自立化を促すという面もあります。
2010年から2012年の成果をまとめた今回の報告書によると、3年間で米国政府は総額1億3770万ドルの予算を20のインターメディアリー団体に投じ、これを受けてインターメディアリーは全米34州の197のNPOにグラントを出しました。グラントは毎年10万ドルで最長5年までとなっています。ソーシャル・イノベーション・ファンドのユニークな点は、インターメディアリーにマッチング・ファンドを求める点ですが、こちらの方も、3年間で3億5000万ドルの資金が集まったと言うことです。それなりの成果を上げたと見て良いでしょう。
ソーシャル・イノベーション・ファンドの特色は、政府が直接NPOに資金を出すのではなく、インターメディアリーを通じることにより、専門性・透明性を高めると共にグラントを出す際の経費を最小限に抑えようとする点にあります。インターメディアリーにマッチング・ファンドを求めることで、政府支出の効果をさらに拡大することが出来ると言うメリットもあります。もう一つの特色は、プロジェクト毎の小規模ばらまき支援を止め、ターゲットを絞ってスケールアップのための大規模・長期的支援を行う点です。10万ドル×5年があれば、NPOは安定した収入に基づき、経営基盤を高め、スケールアップを図ることが出来ます。これは、政府支援終了後のNPOの持続可能性をもたらします。
このソーシャル・イノベーション・ファンドの試み、日本のNPO支援策もぜひ見習って欲しいものだと思います。
http://www.nationalservice.gov/sites/default/files/documents/sif_investment_report2013_0.pdf
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