企業の社会貢献は、企業財団を通じた寄附やプロボノ・サービスなどから、企業経営のコアを活用したCSVへと進化しつつあります。これはNPOとのパートナーシップについても同様です。企業は、自分たちの成長を持続可能なものとするためにNPOとのパートナーシップを強化しつつあります。
コカ・コーラが延長した世界自然保護基金(WWF)とのパートナーシップ事例が、これを良く表しています。CSR Wireの記事によると、今回のWWFとの間に締結された合意は、今までのパートナーシップの実績を基礎にし、さらにこれを強化するものです。協力の柱となるのは以下の5つ。
1.コカ・コーラの水資源利用効率の25%向上
2.健康的で耐久性のある淡水システム確立を支援
3.二酸化炭素排出量の25%削減
4.植物性素材を使ったパッケージングの推進と責任ある資源管理
5.主要農産品原料資源の持続可能性確保
コカ・コーラがグローバル企業として成長していくためには、その基礎となる水や農産品原料の持続可能性を確保する必要があります。これに積極的にコミットし、さらに二酸化炭層排出量削減やペットボトルから植物性素材への転換を図ることで、環境に負荷をかけない生産システムを目指すことは、長期的にコカ・コーラの発展にもつながります。これはまた、WWFが目指す自然保護の目標とも一致します。特に、4.については、WWFが植物性素材導入に関する環境・社会パフォーマンスのアセスメントを実施し、5.については、持続可能な農業指導原則を取りまとめて実施に協力するなど、WWFの専門性を活かしてコカ・コーラに協力することが出来ます。
WWFのようなグローバルNGOであっても、彼らが直接事業を行うことで達成できる成果は限られています。コカ・コーラのようなグローバル企業を巻き込み、彼らの活動をより持続可能なものにする方がより大きな効果を得ることが出来ます。コカ・コーラもまた、WWFとの協働により、彼らの専門性を活かしながら、自分たちのビジネスの持続可能性を確保することが出来ます。これは双方にウィン・ウィンの関係をもたらします。
企業とNPOのパートナーシップもまた進化しつつあります。
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