さらに進化を遂げる米国の共同ファンディング枠組み

90年代以降、米国の助成財団は戦略的グラント・メイキングに乗り出し、その手法は国際的な潮流となります。さらに、米国の財団は、インパクトの拡大を求めて、触媒型フィランソロピーや共同ファンディングなど、様々な手法を開発していきます。

特に、複数の財団や金融機関が共同して支援を行う共同ファンディングの試みは、社会的インパクト投資との親和性が高いため、急速に拡大しつつあります。社会的インパクト債は、ある意味において、このような共同ファンディングの枠組みを、政府が公共調達という形で制度化したものだということも出来るでしょう。

この共同ファンディングの枠組みで、最近、新たな進展が見られました。米国のエドナ・マコーネル・クラーク財団が、2007年から開始した成長資本集積イニシアチブ(Growth capital aggregation)の一環として新たに立ち上げられたブルー・メリディアン・パートナーズです。

デューク基金、ジョージ・カイザー家族財団、サンバーグ家族財団などの中核パートナーに、ヒューレット財団やパッカード財団などの準パートナーを巻き込んだこのコンソーシアムは、今後、少なくとも10億ドル(約1200億円!)の資金を、子供・若者支援のNPOの活動に投じるとのこと。対象となる事業領域は、幼児教育、児童福祉、養子縁組、および初中等教育です。

このプログラムのユニークなところは、支援手法として、ベンチャー・フィランソロピーの考え方を積極的に採用し、特定の非営利団体にターゲットを絞ってそのスケールアップのための資金を提供する点。究極のキャパシティ・ビルディング支援プログラムになりそうです。詳細は、今後、明らかになると思いますが、クラーク財団の過去の手法を考えると、おそらく資金の一定割合は社会的インパクト投資の形を取ると思われますし、また、幾つかはエビデンスに基づく成果連動型支援も試みられると思います。

20世紀の米国財団の社会的役割は、「社会変革の加速ギアである」と言われました。公的機関やビジネスでは負えないリスクをあえて引き受けて社会変革モデルを立ち上げ、普及していくことに財団の革新的な役割があるという考え方です。今回のプロジェクトは、規模の面でもアプローチの面でも、まさにこの思想を体現したものになると言えそうです。

http://www.emcf.org/capital-aggrega…/blue-meridian-partners/

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