ボストン・グローブ紙の記事です。米国のNPOの事務局長の多くは、団塊世代ですでに60代半ばを越えていますが、その大半は、まだ後継者への明確な移管計画を策定していないとのこと。NPOの多くが、事務局長の個人的な人間関係や信頼、知識、手腕に依存しているため、なかなか適当な後継者を見つけ出せないという問題がある反面、次世代のNPO関係者は、団塊世代と異なり、ITスキルも高く、非営利関連の学位を持っている優秀な人材が育っており、きちんとした後継者移管計画を策定すれば問題は無いのでは?という意見も出されています。団塊世代のインスティチューショナル・メモリー(組織ノウハウ?)を保持するために、団塊世代が引退後もコンサルタントという形で残るというオプションも提案されています。また、団塊世代が引退しないために、結果的に優秀な人材がNPOから流出してしまうという問題も指摘されています。
この問題、日本でも状況は同じだと思います。NPOだから、若くて優秀な人材はさっさと自分のNPOを立ち上げてしまえばよい、と言う考えもあるのでしょうが、一定の年月を経て活動してきた組織が蓄積したノウハウやネットワークは社会にとっても貴重な財産。これを次の世代に継承していくのも団塊世代の重要な役割のような気がします。特に、日本の場合は、NPO法が施行されてからようやく20年。第一世代の知識と経験を大切に継承しながら、新しい時代にあったNPOの担い手をいかに育成していくかは重要な課題だと言えるでしょう。
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