フィランソロピーというと、ついビル・ゲーツのような億万長者の寄附とか、フォード財団のような巨大財団の専門家集団をイメージしてしまいます。確かに、こうした巨大な専門機関が果たす役割は重要ですが、本来、フィランソロピーを担うのは、普通の個人であるはず。上から目線ではなく、普通の人が参加できて、しかもインパクトのあるフィランソロピーをどう作っていくかというのは、いつの時代でも大切な課題です。
そういうことを考えていたら、インディー・フィランソロピー・イニシアチブというクールで役に立つウェブサイトを発見しました。インディーの名にふさわしく、主流の大型財団のアプローチに反旗を翻し、フィランソロピーに参加型でコミュニティ志向のオルタナティブを提案して、フィランソロピーのあり方を変えようという野心的な取り組みです。とてもかっこいいコンセプトが並んでいるのですが、何よりもいいのは、資金を提供する側もその過程を通じて「学ぶ」ことの重要性を強調している点。まさに、コラボ型フィランソロピーです。
取り上げられているのは、コミュニティ参加型フィランソロピー、スタートアップ支援、ギビング・サークル、マイクロ・グラント、共同ファンディング、インディー投資などなど。それぞれについて、コンセプトを丁寧に説明した上に、支援事例なども紹介していて楽しめます。たとえば、コミュニティ参加型フィランソロピーは、資金の使い方自身をコミュニティに決めてもらうというラディカルな支援手法ですが、これをグローバルに展開するグローバル女性基金の事例なども含めて紹介しています。
日本でも、市民ファンドやNPOバンクなど、コミュニティ型のフィランソロピーが活発化しつつあります。こうした領域に関心がある方、海の向こうのアメリカで今何が起こっているのかを知る貴重な情報源をぜひ一度覗いてみてください。