周縁から中心へ:市民社会の新たな発展

私が、というよりもおそらく市民社会やNPOセクターのことを思考している人間であれば誰でも最大限の敬意を払っているLucy BernholzがAlliance Magazineに記事を投稿しました。タイトルは、「周縁から中心へ」。彼女が毎年発表している青書の2010年において取り上げた社会的投資や社会的企業が2015年には市民社会の中心を占めるに至ったことを踏まえて、この新しい時代の市民社会のあり方を考察した記事です。

例によって、彼女の思索は簡潔です。いまやNPOか社会企業か、とかグラントか社会的投資か、という二者択一の時代は終わったのだから、その時代に適応した新たな思考を開始しよう、というものです。ポイントは4つ。

1.自分たちの組織目標を促進するためにデジタルデータとデジタルインフラの機能を理解すること。

2.社会を変革するために、組織形態と資金調達構造の最適な組み合わせを見つけ出すこと。

3.デジタル・マネジメントとデジタル・ガバナンスの実践を、すべての組織のキャパシティ・ビルディングの中核に据えること

4.セクターの拡大・多様化が引き起こした法的問題や規制上の問題について戦略的に思考し、我々の目標に最適な21世紀型ルールを生み出すこと。

まさにその通りですね。でも、彼女は最も大切なことを付け加えることも忘れてはいません。それは「第二次世界大戦後、世界各地で私たちが発展させてきた制度化され、非営利を中心とした市民社会の価値を変える必要は無い。その価値とは、結社・表現の自由、プライバシーと自己決定の尊重が、市民社会の基層である。」というものです。

短い文章ですし、非常に明晰に書かれているのでぜひ原文もお読みください。

http://www.alliancemagazine.org/opinion/from-the-edge-to-the-middle/

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。