すでに日本でも紹介されていますが、ゴールドマン・サックスが、米国の代表的な社会的インパクト投資会社のインプリント・キャピタルを買収しました。インプリント・キャピタルは2007年に設立され、主に米国の助成財団のミッション関連投資を仲介する上で主導的な役割を果たしてきました。2015年3月時点で、40のクライアントを持ち、運用資産額は5.5億ドルとのこと。
インプリント・キャピタル代表のジョン・ゴールドスタインは、ヘッジファンドのバックグランドの人ですが、非常に社会的投資に理解のある人で、社会的インパクト投資を単なる一つの投資機会と見るのではなく、「助成財団の活動の核となるグラント・メイキングを補強し、さらに助成財団のミッションの達成のためにグラント・メイキングにはできない機会を与えるツール」と考えてミッション投資を推進してきました。
おそらく、今回の買収は、ゴールドマン・サックスにとっては、ごく小規模の投資でしかないでしょう。今回の買収を担ったチームの年間収入だけで60.4億ドルという数字が如実にこれを物語っています。しかし、この買収が、せっかくここまで育ってきた社会的インパクト投資の方向性をより商業的なものに歪めるとすれば、これはフィランソロピーにとっては大きな衝撃となります。この懸念は、米国の主要財団にも共有されており、財団からは「今回の買収により、社会・環境インパクト投資がさらに発展することを望む」というコメントが出されています。
この件にご関心のある方は、ミッション投資エクスチェンジが解説記事を掲載しているのでご覧になってみてください。