英国では、行き過ぎた寄附勧誘が問題になっています。発端は、多数のチャリティが寄附勧誘のために電話や手紙を殺到させたために自殺に追いやられた老嬢の事件です。これを機に、英国政府は独立レビュー委員会を立ち上げて対応を検討してきました。
BBCの報道によると、この独立委員会が提言を取りまとめたそうです。内容は、(1)現在、ファンドレイジング基準委員会(FRSB: Fundraising Standard Board)が行っている自主規制の代わりに、強制力のある政府監視機関を設立し、ファンドレイジング活動の監視と議会への報告を行う、(2)寄附者は、関心の無い慈善団体からの電話やメールを差し止めることが出来る、(3)ルールに従わない慈善団体は、監視機関の命令によりファンドレイジング活動を停止させられる可能性がある、などです。
ファンドレイジング、確かに非営利セクターの基本となる重要な活動ですが、行き過ぎた活動は、もちろん認められるべきではありません。また、そもそも論として、巨額のファンドレイジングを行っても、その経費がかかりすぎて実質的な収入が少ないという事態も問題です(ある意味で、ファンドレイザーによる詐欺のようなものですね)。こうしたファンドレイジングに関する諸問題をどう規制するのか、自主規制でやるのか、政府が強制力を持って規制するのか、は市民社会のあり方を考える上でも重要な課題となります。この問題に関する英国の方向性が気になりますね。引き続きフォローしたいと思います。