この情報ボックスでも毎年、取り上げていますが、今年も、マッカーサー財団の「天才」フェローが発表されました。ジャンルや活動を問わずに「天才」を24名選出し、それぞれにまったくのひもなしで62万5千ドル(日本円で約7500万円)を1年間支給するこのフェローシップ。まさに才能に対する投資のユニークな取組として、毎年、米国メディアを賑わしています。
今年も、様々な領域の研究者、ジャーナリスト、実務者などが選ばれました。一人一人の活動を見ているだけで、世界には本当に日々、イノベーションが行われていることが分かります。
今回、私が気に入ったのは、NYで事業を行っているAdaptive Design Associationです。ニューヨークの盲人学校で勤務していた女性教師が立ち上げた非営利団体で、障害を持った子供たちが、楽しく学び、遊び、生活し、さらに自分たちの創造性を発揮していくために、彼らの障害に応じたユニークな家具や器財をデザインし、これを世界に広める活動を行っているとのこと。机、椅子などの家具から始まって、おもちゃ、遊具、楽器、パソコン・・・と、本当にユニークなデザインを日々開発しています。
さらにユニークなのは、彼らの活動スタイル。教師や両親の参加を得て、単にデザインするだけでなく、これらの器具や遊具を使った障害者向けの教育ワークショップを開催し、障害を持った子供たちの創造性を最大限に発揮できるように努めていること。こうした努力がさらにサポーターの輪を広げ、いまや全世界で活動を展開しているとのことです。さすがは、マッカーサー財団。良いプロジェクトを発掘していますね。