スタンフォード大学のデジタル市民社会ラボが、市民社会団体のデジタル対応を支援するための情報リソースとして、digitalIMPACT.ioというウェブサイトを立ち上げました。これ、とてもよく出来ていて参考になります。
インターネットの発展により、NPOを含む市民社会団体は強力なツールを手にしました。アドボカシー、会員拡大、ファンドレイジング、広報、情報収集、調査分析・・・と今やインターネットなしに市民社会団体の活動は考えられません。ただ、一方で、デジタル化の進展に伴い、リスク管理やコンプライアンスなど、市民社会団体が留意しておくべき事項も増加します。デジタルを活用するためには、同時にプライバシー、著作権、データ取得などの様々なルールを学んでおく必要があります。
こうした状況を踏まえて、市民社会団体のデジタル活用を支援しようというのがdigitalIMPACT.ioです。ウェブサイトは、まず市民社会団体がデジタル・データを活用する際の3原則を以下のように提起します。
1)人々を中心とする:同意の確保
2)データ収集は最低限かつ実行可能な水準で
3)データ共有の計画を作る
その上で、ウェブサイトは、デジタル対応ポリシーとして、プライバシー保護、著作権保護、ウェブサイト利用条件、データ利用方針、著作権・肖像権等の利用同意、データ利用ライセンス、およびデータ共有方針の明確化、のそれぞれについて、ひな形と事例研究を公開しています。もちろんこれらに関連した法律・規制の内容や、関連リンクなども用意しています。それぞれわかりやすく整理されていてとても参考になります。
デジタル化は、市民社会団体にとって大きなチャンスです。他方、もちろん、チャンスにはリスクが伴います。チャンスを活用するためにガバナンスとコンプライアンスを確保する必要があることは言うまでもありません。こうした情報を一望できるサイト、日本でもほしいですね。