Social Enterprise UK(SEUK)が、Buy Social Corporate Challengeというユニークな試みを開始しました。この試み、大企業がCSRの一環として、英国内の社会的企業からの商品・サービスの調達を増やそうというもの。2020年までに10億ポンド(約1600億円)の購入を目標にしています。社会的企業を、社会的投資による資金提供面だけでなく、社会的購入を通じた需要面でも支援しようという試みとして注目されます。
SEUKの発表によると、すでにジョンソン&ジョンソン、PwC、チューリッヒなど7社が参加を表明したとのこと。今後、さらに多くの企業の参加を呼びかけるとのことです。
このキャンペーンに参加すると、企業はSEUKから社会的調達に関するトレーニングを受けたり、社会的企業とのマッチング・サービスを受けることが出来ます。さらに、こうした社会的購入を通じた社会的インパクト評価とその報告についてもサポートを受けることが出来ます。
英国では既に社会的価値法により、公共セクターの調達に際して社会的価値に配慮することが義務づけられています。これも、もちろん社会的企業の財・サービスに対する需要の喚起が主目的ですが、これに大企業が参加することで、さらに社会的企業発展のためのエコシステムが強化されることになります。
また、CSRと言う観点からも、従来、サプライチェーンの主な目標として、環境への配慮や劣悪な環境での労働への配慮などが中心でした。いわば、ネガティブ・スクリーンだったわけですが、今回の試みは、より積極的にサプライ・チェーンを通じて社会的インパクトを実現しようというポジティブ・スクリーンになります。これは、大きな転換になりそうですね。