NPOとフィランソロピー・セクターにもデータ化の波が押し寄せています。米国で始まったデータ標準化の流れは、現在、グローバルに拡がり始めています。ガイドスターのCEO、ジェイコブ・ハロルドの記事は、この大きな流れを簡潔に要約してくれていて参考になります。
この情報ボックスでも既に紹介してきましたが、現在、グローバル・スタンダードを目指しているデータ・システムには以下のものがあります。
■BRIDGE
⇒米国財団センターやガイドスターが推進している全世界のNPOに対するIDナンバー付与システム。
■フィランソロピー分類システム
⇒米国財団センターが推進している助成財団データベースの分類システム
■ガイドスター・プロフィール・スタンダード
⇒ガイドスターが推進しているNPOのインパクト評価システム。活動のインパクトを記述式に登録。
■eGrant / hGrant
⇒米国助成財団センターが推進している助成財団のグラント報告システム。各財団の助成事業を報告する標準システム
データ・スタンダードは、データベースに登録する際のデータの標準フォーマットに過ぎません。しかし、全世界データベースや全世界助成財団データベースあるいは助成事業データベースが動き出し、すべての助成財団とNPOがそのデータベースを通じて助成の判断をするようになれば、このフォーマットは、NPOや助成財団の活動に強く影響します。
将来的には、BRIDGEに登録していないとグローバルな助成財団からの支援を受けることが困難になるとか、ガイドスターのプロフィール・スタンダードに準拠していないNPOはインパクト実績がないと見なされるかもしれません。
さらに、国境を越えたフィランソロピー資金の移動規制にこのデータが使用されれば、海外団体への資金支援にも影響を与える可能性があります。グローバル企業のCSR活動を受ける際の判断基準ともなり得ます。
これは、すべてのNPOとフィランソロピーにとって、機会でもあり、挑戦でもあります。グローバルなファンドアクセスへの可能性を拓く一方で、データベース化されれば活動を制約される可能性も高まります。言い換えれば、グローバルなフィランソロピー市場形成やグローバル市民社会の発展基盤ともなり得ますし、これを一元的に管理するシステムになる可能性もあります。
好むと好まざるにかかわらず、日本のNPOとフィランソロピーもこの流れから逃れることは出来ません。グローバルなデータ・スタンダードに積極的に参加して、活動をグローバル化させていくかどうか、セクター全体として議論を深めていく必要があると思います。
http://pndblog.typepad.com/…/the-next-generation-of-nonprof…