フードロス問題にデータを通じて取り組む新たなイニシアチブ

ロックフェラー財団が、新たに「食料廃棄(Food waste)」イニシアチブを立ち上げて以来、この問題への取り組みが加速しています。その一つ、ReFEDは、客観的なデータと関係セクター全体に目配りしたソリューションを提示することで、2030年までに米国のフードロスの50%削減を目指しています。

ReFEDは、30以上のNPO、企業、財団、政府関係者の連合です。2015年に、米国の「フードロス削減ロードマップ」を発表し、反響を呼びました。このロードマップは、フードロスの問題を、経済データに基づいて包括的に提示し、かつ具体的なソリューションを提示していて非常に説得力があります。

ロードマップによると、米国は毎年GDPの1.3%にあたる2180億ドルをただ捨てるだけの食料品に費やしています。それは、5200万トンの食料品が捨てられ、さらに1000万トンが農家で収穫されないことを意味します。一方で、米国の7世帯に1つは、食料難に苦しんでいます。

フードロスのメカニズムをさらにサプライ・チェーンで見ていくと、16%が農家、2%が加工工場、40%がレストランや食料品店、43%が家庭で廃棄されていることが明らかになりました。

こうした数字を元に、ReFEDはステイクホルダー毎にソリューションを提示していきます。対象は、消費者、起業家、農家、連邦政府と州政府、財団、投資家、食品加工業者、NPO、レストランと食料品店で、それぞれに出来ることを提案しています。

提示されているソリューションは、フードバンクと食料品店をつなぐソフトウェアの開発、食品の劣化を防ぐ流通・保存技術の開発、フードロスをモニターするトラッキング・システムの開発から、廃棄食品のリサイクル(肥料や燃料に)など47に上ります。

こういう形で全体像を提示されると、連邦政府や財団も戦略的に動けますし、また企業やNPOの連携も容易になります。また、削減による経済効果も具体的に示されているため、社会的投資家が参入することも容易になります。

現在、ReFEDは、このレポートに賛同してフードロス削減イニシアチブに協力してくれる団体を募集していますが、ネットワークが形成されれば、集合的インパクトのモデルとなることでしょう。成果が期待されます。

http://www.refed.com/?sort=economic-value-per-ton

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