社会的インパクト債でいかにRCTを活用するか

社会的インパクト債では、公的資金を投入して民間投資家に経済的リターンを提供するため、厳格な評価が求められます。米国の場合、多くの案件では、無作為制御試験(RCT: Randomized Control Test)を使って介入成果を客観的に検証します。

しかし、RCTについては、(1)専門的で費用も高い、(2)ソーシャル・サービスにおいて、介入の対象としないグループを確保するのは困難だし、介入しないことの倫理性も問われる、(3)RCTが成立するためには一定以上の参加者数を確保する必要がある、等の問題があり、なかなかコミュニティ・レベルで導入するのは難しいというのが現状です。

アーバン・インスティチュートが最近発表した論考は、こうした問題をどのように解決してRCTを活用したら良いかを丁寧に考察しています。倫理の問題は、例えば、ウェイティングリストを作成し、第一段階の介入対象者と、ウェイティングリストに入った未介入者を対照グループとすれば解決可能です。論考は、これ以外にも、コミュニティの支持を得るためにはどうすればよいか、中間データをどのように活用するかなどについても議論されています。

社会的インパクト債の発展にRCTの普及は不可欠です。アーバン・インスティチュートの論考は、社会的インパクト債の導入を検討しているコミュニティに現実可能なソリューションを提示してくれています。

http://www.urban.org/…/measuring-success-pay-success-random…

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