最新号のスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビューに「イノベーションがうまくいかない時」という記事が掲載されています。社会的企業にとって、ソーシャル・イノベーションを通じたインパクトの達成は重要な課題。でも、なかなか物事は思った通りに進みません。そんな時に、自分達の活動を振り返るポイントをまとめてくれていて、役に立ちます。
記事は、まず「イノベーションとは何か」を論じます。それは、様々な「不確定性」を確実な「知識」に転換することです。その意味で、イノベーションとは学びのプロセスとも言えます。
このようにイノベーションを定義すると、この学びのプロセスをどのように組織化するかが見えてきます。それは、「問題の定式化」「ソリューションの開発」「組織アイデンティティとの結合」「インパクトの追求」という段階を経由します。イノベーションは、これを現実化し、スケールアップすることで初めて「インパクト」を達成するのです。
では、このプロセスに失敗するケースとしてはどのようなものが考えられるのでしょうか。論考は、以下の6つをモデル化します。
1.プロセスを開始できない
2.あまりにも多くの「筋の悪いアイディア」を追究する
3.早くあきらめすぎる
4.あきらめるのが遅すぎる
5.スケールアップが小さすぎる
6.すぐに次のイノベーションに取り組んでしまう
いかがでしょう?過去の経験を思い出してこのいずれかに心当たりはないでしょうか。論考は、このような失敗に気づくためのワークショップの開催と、こうした失敗を避けるための解決法も提示してくれています。このようの組織的にモデル化されると、ちょっとした「振り返り」のプロセスで、イノベーション・プロセスに戻ることが出来るようになるのです。
この論考、具体的な事例もきちんと踏まえており、また、要点を簡潔にまとめていて役に立ちます。ご関心がある方、ぜひ以下のサイトをご覧下さい。