アルゼンチンが債務危機に陥った際、多くの企業が倒産を余儀なくされました。しかし、その中で、従業員がオーナーから企業を買い取ってそのまま事業を続けて経済危機を乗り切った事例がありました。このような従業員が共同所有する企業、あるいは組合型のワーカーズ・コレクティブが、現在、再注目されています
例えば、英国では、公営企業を従業員共同所有会社に転換することが制度的に認められています。また、米国でも、地域再生の担い手の一つとしてこうした共同所有型の会社やワーカーズ・コレクティブに着目してシティバンクが支援を開始しました。
The Working Worldという団体は、このような貧困コミュニティにおけるワーカーズ・コレクティブだけを対象に資金を提供する団体です。彼らは、2004年以来、200以上のビジネスを対象に400万ドル以上の貸付を行ってきました。モットーは、「搾取しないローン」。適正な利率を設定し、ビジネスの成功を重視したローン戦略で、返済率98%を達成しているとのこと。しかも、貸付先は、米国のみならず、中南米にも及んでいます。
これもまたソーシャル・ファイナンスの形だと思います。