Strategic Learning:評価イノベーションセンターの実践的提案

今年のアメリカ評価学会で話題になった評価手法の一つが、評価イノベーションセンターが提案したStrategic Learningモデル。助成財団の評価については、アウトプット評価→アウトカム評価→インパクト評価と進化してきて、現在は、インパクト評価のためのロジックモデル作成も一般化してきました。しかし、これらの評価は3〜5年間の中期計画サイクルの評価には向いていますが、ダイナミズムに欠きます。また、財団スタッフのコミットメントも受動的です。

Strategic Learningモデルが提唱しているのは、よりダイナミックな参加型モデル。モデルは、「Theories of Change」と「Strategic Learning Debriefs」の二つからなります。このモデルのポイントは、リアルタイムで、財団のマネジメント、スタッフそして利害関係者が評価・学習・戦略形成・実施に参加する点。プロフェッショナルのコンサルタントがTheory of Change形成のためのワークショップを組織し、すべての関係者が参加して特定の課題についてのTheories of Changeを構築します。これに基づいて、すべての関係者が、評価のためのデータを収集します。一定期間後に、今度は、Strategic Learning Debriefsのためのワークショップが組織され、それぞれ参加者がデータに基づいて、成果と学習結果を発表・共有します。これに基づき、Theories of Changeが改訂されていきます。

このモデルが想定しているのは6ヶ月から1年程度のサイクル。しかも、マネジメント、スタッフ、利害関係者が全員参加することで、より能動的で参加型のサイクルが形成され、インパクト志向型のグラントメイキングが可能となります。以前に情報ボックスで紹介したリアルタイム・ストラテジック・プランニングを制度化した評価システムと言えるでしょうか。これは今後の財団評価の主流になっていくかもしれません。

http://www.evaluationinnovation.org/sites/default/files/SL_Tools_FINAL%20.pdf

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