評価の話題をもう一つ。米国の助成財団の多くは、プログラム評価やプロジェクト評価を導入しています。しかし、多くの評価は、財団側から一方的に見たグランティーの評価。しかし、これでは、グランティー側の視点が欠落しており、プログラムの真の改善にはつながりません。
この点に着目し、Center for Effective Philanthropyが開発したのが、Grantee Perception Report。グランティーから見た財団のグラントプログラム評価フォーマットです。財団のグラントがコミュニティにインパクトを与えているか、財団のグラントがグランティーにどのようなインパクトを与えているか、財団とグランティーのコミュニケーションは適切になされているか、グラントを出すプロセスは適切か、グランティーは財団側にどのような要望を持っているのか・・・等の観点からグラントプログラムを評価し、財団側にフィードバックします。このプログラム、現在、全米190の財団に採用され、すでに5万2千ものグランティーが評価に参加しているとのこと。ゲーツ財団やヒューレット財団などの主要財団も参加しています。
助成財団の活動は、「支援」ではありません。助成財団の活動目的は、「インパクト」です。この意味において、助成財団とグランティーの関係は、本来、支援/非支援という垂直的なものではなく、インパクトを実現するためのパートナーという水平的なものです。現在、多くの米国の財団が、こうした考え方を取り入れ、グランティー評価を導入することで、このパートナーシップ関係を強化しようとしている点を、日本の財団も学ぶ必要があると思います。
http://www.effectivephilanthropy.org/index.php?page=grantee-perception-report
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