ハーバード社会企業大会のプログラムを見ていたら、ソーシャル・アウトソーシング(社会的責任アウトソーシングとも言うようです)というコンセプトを見つけました。どうやら、グローバル企業がアウトソースしている事業を、開発途上国における貧困支援や女性のエンパワーメントに活用しようと言う試みのようです。
例えば、SAMASourceというNPOは、グーグルなどのグローバル企業からデータプロジェクトを受注し、これをミクロに分割した上で、開発途上国のパートナー団体に振り分けます。各パートナー団体は、それぞれ、一般の所得水準より低い女性や若年層を雇用し、彼らに数週間のトレーニングを施した上で、このミクロな業務にあたらせます。採用の際の所得水準や、業務遂行の際の報酬の基準をきちんと設定し、低賃金労働者の搾取ではなく、アウトソーシングを通じた開発途上国の失業問題や女性の貧困問題の解決に資することを目指しています。
このモデル、アウトソーシングを通じたフェアレーバーの確立の試みとでも言えるでしょうか。これからの社会企業モデルの一つになると期待されます。ちなみに、SAMA Sourceの成功の鍵は、グーグルなどの大規模データプロジェクトをミクロなパーツに分割し、これをグローバルなパートナーネットワークが効率的に作業できるプラットフォーム(Sama Hubというそうです。)を構築した点にあります。ここでも、やはりテクノロジーがイノベーションの鍵を握っています。
http://samasource.org/mission/how-we-work/
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