SDGにおけるグローバル・フィランソロピーの役割とは?

先日、国連経済社会委員会が、UNDPやOECD開発協力財団グローバル・ネットワーク、WINGSなどと共催で、「フィランソロピーとポスト2015」という会議を開催しました。国連ミレニアム開発目標が終了する2015年以降の国際開発分野において、SDG(Sustainable Development Goal)を一つのキーワードに、先進国政府・開発機関や国連と、ゲーツ、ロックフェラーなどの大型財団がどのような形で協力できるかを議論する一日の会議。オンラインで全プログラムが公開されていたので、概要を報告しておきます。

会議は、「フィランソロキャピタリズム」の著者、マシュー・ビショップの司会で進行しました。イノベーション、スケールアップ、評価など、論点は多岐にわたり、とても全貌を要約できないのですが、全体として、以下の点はコンセンサスが得られたと思います。

1)財団の強みは、決断の早さ、リスクの高いプロジェクトへの支援、柔軟さ、現地市民社会への直接支援、イノベーション支援、社会変革支援などが可能な点。これは、政府機関や国際機関では困難。他方、財団の弱みは、財政力に限界があるため、スケールアップが出来ない点。財団がイノベーションを図り、これが成功してスケールアップする際に国際機関や政府機関と協力していくというのが理想的な協力の姿。

2)近年、ローカル・フィランソロピーが成長しつつある。モット財団のように、戦略的にコミュニティ財団を支援している団体もある。また、社会的インパクト投資やマイクロ・ファイナンスも重要。シティ財団のように、この分野に戦略的に支援を行っている団体もある。こうした動きも開発協力に取り組んでいくべき。

3)財団側としては、国連機関が、国境を越えて活動している財団活動を促進するような環境整備を行うと共に、財団と国際開発機関のパートナーシップを促進するための、対話メカニズムの提供、共通成果測定基準の開発、共通目標とこの進展を図るための共通指標の開発、などを行うことを希望する。

全世界から主要財団が集まって国連機関と議論するという貴重な機会で、非常に聞き応えがありました。ご関心がある方は、以下のサイトで概要を知ることが出来ます。

ちなみに、日本からの参加者は、国連代表部の方1名のみ。JICAも日本の財団の名前もありませんでした。中国からは、中国財団センターの方が出席しています。日本の開発援助は、市民社会も含めてそれなりの貢献をしているのだから、もう少しプレゼンスを示してもらえると良いのですが。。。。

http://www.un.org/en/ecosoc/newfunct/dcfphilanthropic2013.shtml

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