社会的企業家のジレンマ:営利か、非営利か。。。

ニューヨークタイムズが、ThinkImpactという米国の非営利団体を取り上げつつ、現在、社会的企業家が直面している問題:「非営利ステイタスを維持するか、それとも営利ステイタスに転換するか」についての記事を掲載しました。非常に具体的な事例に則して報道していて読み応えがあります。

言うまでもなく、非営利団体の最大の悩みはファンド・レイジングにあります。活動インパクトを大きくしていくためにはスケールアップが必要で、そのためには大規模なファンド・レイジング・キャンペーンが欠かせません。しかし、寄附やグラントに頼るファンド・レイジングは、膨大な時間と労力を必要とします。リソースの少ない非営利団体にとって、それは大きなコスト負担になります。これが持続可能でなくなれば、当然、非営利団体は、営利団体への転換を図ることになりますが、この場合、ミッションの曖昧化やメイン・ファンダーの離反を招くというリスクを抱えることになります。

結局、ThinkImpactの結論は、非営利団体を維持しつつ、営利団体を新たに立ち上げてハイブリッド化するというものでした。しかし、そこにはまた新たな「利益相反」という問題が生じることになります。こうした問題は、今後、日本の社会的企業も直面していく問題だと思います。アメリカの非営利団体が、どのように試行錯誤をしながら問題を解決していったのかを知るために、この記事は参考になります。

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