先ほど紹介したソーシャル・インパクト・エクスチェンジのセッションをモデレートしたのはNPOファイナンス基金(Nonprofit Finance Fund: NFE)という団体です。この団体は、金融サービスを通じて、NPOのスケールアップを図るというユニークな事業に取り組んでいます。彼らは様々なサービスを提供しているのですが、NPOのスケールアップとの関係で重要なのは、「成長資本(Growth Capital)サービス」です。
NPOにとってもスケールアップのためには投資が必要です。しかし、現在のNPOの会計システムは、企業会計と異なり、スケールアップのための投資資金と当座の事業運営を行う運用資金を区分して管理していません。これでは、投資家の資金を導入することが困難です。そこで、NFEは、「成長資本サービス」で、投資家向けの区分会計報告作成をサポートし、これによって投資家の資金をNPOに呼び込もうとしています。
この考え方の背景にあるのは、「将来設計資金」と「当座運用資金」は異なる、という考え方。これは、「Building is not buying」というレポートにまとめられていますが、NPOの財務体質改善を考える上で、示唆に富んでいます。ご関心がある方はぜひご一読を。
http://nonprofitfinancefund.org/files/docs/2010/BuildingIsNotBuying.pdf
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