インドでも社会的インパクト債券導入開始!:ダスラのユニークな取り組み

アジア・ベンチャー・フィランソロピー・ネットワークによると、インドにおいて、初の社会的インパクト債券が導入されたそうです。対象は、ダスラが行っている「女子教育」プログラム。貧困地帯における女の子の就学機会をサポートするプログラムです。資金提供は、米国のInstiglioという社会的投資団体。

このプログラムでは、ダスラが、予め設定されたプログラムの社会的インパクト成果指標をクリアすれば、「債券購入者」はその対価を支払うという方式をとります。もちろん、既存のドナーは引き続き支援を継続します。ダスラは、「債券」の収入を使って、プログラムの拡大を図ることが出来ます。

現在、英米を中心に行われている社会的インパクト債券の仕組みは、政府が債券を発行し、事業が成功すれば、政府が出資者に資金を還元するという方式です。しかし、ダスラのケースでは、政府は関与せず、また「債権者」は投資リターンを受け取ることは出来ません。その意味では、通常の意味での「社会的インパクト債券」のシステムとは異なります。

しかし、この方式のメリットは、キャパシティ・ビルディング・サポートと異なり、ドナーとグランティーが、一定の客観的な社会的成果の達成目標で合意し、これに向けて努力すると言うことで、非常に明確でクリアな関係が構築できる点です。グランティーは、いつキャパシティ・ビルディング・サポートを切られるかというリスクに脅かされることなく事業に専念できますし、またドナーも明確な社会的成果に基づいて資金を提供できるというメリットがあります。

社会的インパクト投資や社会的インパクト債券の分野は、まだまだ発展の余地がありそうですね。

http://www.avpn.asia/resources/newsletters/june-2013-edition/social-impact-bonds-make-india-debut-with-dasra-programme/

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