欧州で発展を続けるベンチャー・フィランソロピー

スタンフォード・ソーシャル・イノベーションの「欧州ベンチャー・フィランソロピーの成長」という記事は、近年の欧州におけるベンチャー・フィランソロピーの発展と今後の成長の可能性を包括的に論じていて読み応えがあります。

1990年代に米国で始まったベンチャー・フィランソロピーは、当初、伝統的なフィランソロピーのオルターナティブとして登場しました。彼らは、プロジェクト支援を核とする伝統的なフィランソロピーに対し、キャパシティ・ビルディングを中心とし、単に資金を提供するだけではなく、経営サポートやネットワーキングなどの非資金的サポートを行い、さらに長期的で大規模なコミットメントを行うことで、グランティーの活動インパクトを高めることを目的としています。

今回の記事は、2000年代に欧州に導入されたベンチャー・フィランソロピーの独自の発展を紹介しています。盛りだくさんな内容で、とてもすべてを紹介することは出来ませんが、米国と異なり、欧州では、早い段階から米国モデルを脱して多様化を進め、グラントと投資のハイブリッド化、公共政策との連携、協働を推進してきました。記事によると、欧州のベンチャー・フィランソロピーは、英国の自由主義モデル、独仏などの福祉国家パートナーモデル、北欧の社会民主主義モデル、東欧の開発モデルなど、様々なモデルを発展させてきています。記事は、今後の欧州ベンチャー・フィランソロピーの発展モデルの方向性を提示して分析を終えています。

日本でも、社会的企業が注目を集めています。ベンチャー・フィランソロピーは、社会的企業を支援する上で、有効なツールです。欧州のベンチャー・フィランソロピーの発展は、日本の今後の政策を考える上でも様々な示唆を与えてくれそうです。

http://www.ssireview.org/articles/entry/the_growth_of_european_venture_philanthropy?utm_source=Enews&utm_medium=email&utm_content=1&utm_campaign=From_Mag

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