社会的投資収益率(SROI)を自分で算定してみよう!

ソーシャルな活動をしている団体であれば、 NPO、財団、社会的企業 、コミュニティ・ビジネス、政府機関、一般企業のどんな団体でも、自分たちの活動のインパクトを測定し、これを数値化したいと思うはずです。企業のCSR担当者や政府機関の評価担当者は、自分たちの活動の費用対効果を数値で示すことで予算を獲得出来ます。NPOや社会的企業も、寄附を募ったり助成金を獲得したり出来ます。さらに、コミュニティ・ビジネスであれば、自分たちの活動がどれだけコミュニティに貢献しているかをアピールして活動の幅を広げることが出来ます。

これを数値化する手法には様々なものがありますが、現在、グローバルに広がりつつあるのが、社会的投資収益率(SROI)です。日本でも、コンサルティング会社が立ち上がっています。しかし、大企業や政府機関ならともかく、一般のNPOや社会的企業、コミュニティ・ビジネスが、コンサルティング会社に経費を払って社会的投資収益率を算定してもらうのは予算的に難しいでしょう。

SROIネットワークがNEFコンサルティングに依頼して作成した「社会的投資収益率ガイド」は、NPOや社会的企業が自分自身の手で「社会的投資収益率」を算定できるようにすることを目指したとても便利なガイドブックです。単に考え方を説明するだけでなく、算定に至る手順を丁寧に説明し、さらに算定のためのスコア・カードの付録まであります。これを使えば、どんな小規模な団体でも、社会的投資収益率を算定し、公表することが出来ます。

このガイドに説明されている社会的投資収益率策定の手順は以下の通りです。

1.評価範囲を設定し、利害関係者を定める。
2.成果をマッピングする。
3.成果の証拠を集め、それぞれの価値を決める。
4.インパクトを確定する。
5.SROIを計算する。
6.報告書を公開し、SROIのデータを事業にフィードバックする。

SROIの算定作業自体は、それほど難しくありません。考え方さえ理解すれば、必要なスキルは、エクセルなどの表計算ソフトの基礎的な知識だけで大丈夫です。また、時間も人手もなければ、とりあえず、核となるプログラムだけを対象に行うことも可能です。SROI算定作業を通じて自分のプログラムを見直すことは、成果を対外的にアピールするのみならず、プログラムの改善にもつながります。とりあえず、このガイドブックを使って一歩踏み出してみてはいかがでしょう。

http://www.nef-consulting.co.uk/wp-content/uploads/A-Guide-to-Social-Return-on-Investment-2012-edition.pdf?utm_source=nef+consulting&utm_campai

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