社会的インパクトを測定するためのオンライン・ツール:Outcomes Star

社会的インパクトを測定する際に、最も手間がかかるのが、利害関係者に対する調査です。社会的インパクトの測定に際しては、サービスの直接の受け手やこれに関連するコミュニティが、事業の結果、「どのように変化したか」が重視されます。これをチェックするためには、プログラム・利害関係者毎に評価指標を設定し、それぞれの指標に即して変化を追跡しなければなりません。追跡の方法は、インタビュー、アンケート調査、あるいは標本調査などが中心になります。でも、これ、なかなか大変ですよね。

社会的インパクトを測定する際の、こういう作業を軽減するために作成されたのが、英国のOutcomes Starです。これは、社会的インパクト評価の際に必要な、指標毎の変化をオンライン上で調査できるツール。例えば、雇用問題に取り組むNPOが、サービスの受け手の1年後の就職率や求職活動における変化などを調査するのであれば、このサービスを使って調査用サイトを立ち上げ、サービスの受け手にこのサイトで調査に回答するよう呼びかけるだけで調査結果を簡単にまとめることが出来ます。

このツールのもう一つの特徴は、主な分野において標準的な評価指標を予め組み込んでいる点。カバーする領域は、コミュニティ開発、薬物・アルコール中毒、DV被害者、ホームレス、学習障害、児童・若者、雇用、精神医療、老人などの典型的な分野毎にツールを持っており、それぞれのツールは各分野の標準的評価指標が入っているので、NPOは、最初から評価指標を作り上げる必要がありません。このツール、現在も、どんどんカバーする分野を広げつつあります。

このプロジェクト、もちろん、英国の財団や地方政府がサポートしています。公的機関やフィランソロピー・セクターがこういう形でNPOや社会的企業の社会的インパクト評価を側面的に支援する。これによって、NPOや社会的企業がより効率的・効果的になれば、それは社会全体の活性化につながります。日本でも、こういう試みが広がると良いですね。

http://www.outcomesstar.org.uk

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