世界経済フォーラムがインパクト投資に関する新報告書を発表

世界経済フォーラムがインパクト投資に関する報告書「周縁から主流へ:インパクト投資セクター評価と主流投資家の関与を得る機会」を発表しました。

報告書によると、現在のインパクト投資の市場規模は、250億ドル程度。米国では、1995年から毎年11%の伸び率を示しているとのこと。これは、かなり保守的な数字で、 例えば、JPモーガンの 、2020年までに市場規模が4000億ドルから1兆ドル規模になるとする予測は少し楽観的すぎるのではないかと警鐘を鳴らしています。また、インパクト投資の主な資金源は、高額所得者の家族フィランソロピーとコミュニティ開発金融機関。これに、多様な金融機関、年金基金や保険会社、財団が続きます。仮に、インパクト投資が大きく拡大するためには、資産規模で圧倒的に大きい年金基金と保険会社の2つの主流投資家の資金が流れ込む仕組み作りをする必要がありますが、彼らは、まだトラック・レコードがないこと、明確なリターンの基準がないこと、投資規模が小さいことなどに不安を感じているという結果が出ています。

報告書は、この仕組み作りについて、インパク投資機関、インパクト企業、フィランソロピストと財団、政府、仲介団体のそれぞれに役割に即して提言を行っています。社会的インパクト投資に関する過剰な期待をあおるのではなく、あくまでも現実に即して提言を行っている点で、興味深い報告だと言えるでしょう。

http://www3.weforum.org/docs/WEF_II_FromMarginsMainstream_Report_2013.pdf

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