IDEXの「変革理論(Theory of Change)」

開発途上地域におけるグラス・ルーツ団体に少額支援を行っているIDEXが、自分たちの活動戦略を「変革理論」のスキームに沿ってインフォグラフィックスの形にまとめ、公表しました。

IDEXは、1985年に米国のピース・コープス(日本の海外青年協力隊にあたる)OBが立ち上げた団体で、大規模の政府開発援助のオルターナティブを掲げ、民主的で、公正で、環境に優しい、持続可能な開発を実現するために、コミュニティベースの支援を行っている団体です。設立以来、500以上のプロジェクトに対し支援を行っています。

「変革理論(Theory of Change)」というのは、戦略計画策定に用いられるロジック・モデルの一種です。その名が示すとおり、社会全体を変革していくために限られた資源を最大限有効に活用するための戦略計画策定に重点を置いたモデルで、世界中の財団や非営利団体などに広く導入されている手法です。

今回発表された変革理論は、IDEXの役割を「システム・レベルでの変革を起こし、不公正なパワー・ダイナミックスを変え、平等原則に基づく開発支援を採用するようフィランソロピー・セクターに影響を与え、グローバル・サウスとノースの間のバランスの取れた相互学習を組織し、様々な主体を結びつけていく」と定義します。その上で、コミュニティの自己決定、組織の耐久性向上、グローバルな団結、社会的正義を実現するための寄附、という目標を達成するために様々な事業を行っていく、としています。

一見、抽象的に見えるかも知れませんが、このような形で自分たちの組織の役割と方向性を明確にし、事業分野をこの中に位置づけておくと、対外的な広報にも使えますし、スタッフの中での意思統一も可能になります。個別の案件の選択や新規事業の立ち上げの際にも、議論がより容易になるでしょう。なによりも、自分たちの組織がどのような強みを持ち、どのようなリソースを使って、どの目標に向かうかについて、組織内外のステーク・ホルダーで共有できるというのが最大のメリットだと言えるでしょう。日本の非営利団体の方々も、もっとこの手法を活用してほしいですね。

http://www.idex.org/idex-theory-of-change/

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