ビッグデータ活用マッピングが飢餓との戦いを革新する。

日本でも、子どもの貧困の問題が大きく取り上げられています。相対的貧困率が16%と言うことは、教室の子どもの6人に一人が相対的貧困状態にあると言うこと。給食だけが主要な栄養源となっているという悲惨な状況が拡大しつつあります。

米国でも状況は深刻です。夏休み期間中で給食を食べることが出来ない子どもたちのために食料を提供するフードバンクなど、様々な試みがなされています。しかし、問題は、そのような子どもたちをどうやって見つけ出すか。以前は、低所得者コミュニティという形で貧困が特定地域に集中していたため、比較的活動は楽でしたが、都心部や郊外に貧困が拡散し、不可視化すると、対応が難しくなります。

この問題を解決する鍵として注目されるのが、ビッグデータを活用したマッピング。ワシントン・ポストがワシントンで、ある技術者が政府やNPOの様々なデータを統合してワシントン近郊地域に貧困者のマッピングを作成した状況をレポートしています。これによると、やはりワシントンでも、郊外や市内で幅広く貧困が生まれている状況が確認されたとのこと。フードバンクも戦略の練り直しを迫られているそうです。

このマッピング事業、もちろん、日本のように、普通の街で目立たない形で貧困が進行しているでも必要性が高いことは言うまでもありません。以前のように、社会福祉協議会の生活相談員が貧困家庭を把握するというモデルが有効性を失いつつある中、貧困問題に取り組むためには、このような最新のテクノロジーの導入を検討するべき時期が来ています。もちろん、その前提にあるのは、政府がきちんと情報を収集し、これを公開するオープン・ガバメントの思想。政府と市民社会がウィンウィンの関係でパートナーを組める重要なツールとなり得るのでぜひ検討してほしいものです。

https://www.washingtonpost.com/local/the-technology-that-could-revolutionize-the-war-on-hunger/2015/06/16/056d9d52-1114-11e5-adec-e82f8395c032_story.html?postshare=7721434541779987

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